11月1日(土)みなとみらいホールへユンディ・リのピアノリサイタルを聴きに行ってきました。
数年ぶりになります。パンフレットを見ると、ちょっと逞しさがプラスされたかな、相変わらずイケメンです。
曲目は、第1部が
ベートーベンのソナタ「月光」
ベートーベンのソナタ「熱情」
第2部が
ショパンのノクターン(夜想曲)第1番と第2番
シューマンの「幻想曲」
ショパンコンクールで最年少優勝をした彼は、やはりショパンの演奏には定評がある。実際数年前に聴いたとき、音色の透明感、旋律の美しさに引き込まれたものです。
ですから、彼のベートーベンを楽しみにしていました。
特に「熱情」は大学の時に演奏した思い入れのある曲。求めている演奏を探すために、あるったけのレコードを聴いたけれど、結局見つからず、Mr.Turini(大学時代の先生)に「あなたの演奏が一番。あなたの演奏を目指す」と言っていました。
さて、「月光」・・・結論からいうと、あまり好きではなかったです。
ほぼ全小節の1拍目の和音を、左右を微妙にずらして弾くのです。ロマン派の曲でよくする奏法です。ロマン派の曲でさえも、私の先生はちゃんとした理由が無いと使わせなかった奏法でしたので、私自身はショパンの曲でも数か所しか使いません。
全小節、微妙にずらされると、ちょっと鼻に付く感じで飽きてしまいました。それに1曲目だったからか、彼らしい澄んだ音色が出ていなかったのも残念でした。
第3楽章はテンポが良かったのですが、ちょっと乗り切れない感じで終わってしまいました。
「熱情」も、ちょっと残念というか・・・私が求めている「熱情」では無かったです。
やはりロマン派過ぎる感じが。なのに、もっと重々しさや熱情があっても良かったと思うのです。
ただ、へえ~~、ここでこの音を強調しますか、という発見もあったのは面白かったです。
両曲で気になったことが一つ。それはペダルです。
ペダルをpoundingするです。「pounding」なんて翻訳すれば良いのかしら?バッタンバッタンと強く踏むんです。強く踏めばドンドンという足踏みの音が聞こえますし、雑音も響きます。ペダルはリズムをとるために踏むわけではありません。盛り上げるために踏むわけもありません。あの使い方は残念としか言いようがありませんでした。
それから、ちょっとミスタッチが目だちました。さすがにプロですから、上手にカバーしていましたが、ちょっぴり残念でしたね。
ショパンのように、弾きこなす日が来ることを楽しみにしていましょう。
第2部のショパンはさすがでした。
透明感のある美しい音色、華やかなパッセージ、ピアノ(弱音)の美しさは、さすがです

引き込まれるショパンでした。
シューマンも鮮やかでしたよ。ただ、終わりが静か~なので、少々拍手の間が取りにくく、ちょっと中途半端な感じになってしまいました。
それを感じたのか・・・お辞儀を丁寧にするだけで3回もひっこんでしまい、あれ~~もしかしてアンコール無いの?という雰囲気さえ漂いました。
しかし、ようやく4回目にして、アンコールを。おっ
弾いてくれるのね。
まず、「彩雲追月」中国の曲を鮮やかに演奏。素敵な曲です。
ベートーベンのソナタ「悲愴」から第2楽章
更に、「遥か遠く、そのまた彼方」これまた中国の曲です。
そして、極めつけが、リストの「タランテラ」
アハハ・・・凄かったです。圧巻でした。
スタンディング・オーベーションもあり、盛り上がりました。
やっぱりアンコールって好き。その人の本当の姿が見えるようで
また横浜に来てくださいね。楽しみにしています。

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