音楽をやっていて良かった
発表会では、たくさんの方たちに支えられました。
まず、保護者の方たち。当日朝早くから集まっていただき、最後まで手伝っていただきました。
司会は去年と同じ、元生徒さんのお母様。司会をするためには生徒さんを知っていた方が良いからと、レッスンの見学にいらしてくださいました。私が書いたアバウトなシナリオにもかかわらず、素敵にお話してくださいました。
そして元生徒さん、学校がお休みだからと、朝から来てくれて、ステージ上のことを全部やってくれました。
看板は生徒さんのお母様の手作りです。
レセプションでは、ほとんど動きっぱなしに準備をしてくださった方もいます。
本当にありがとうございました。
発表会の詳細を書く前に、
先日、ものすごい感動的な時間を過ごしたので、そちらを先に書きたいと思います。
発表会の次の日、コーラスの指導をしてくださっている先生が、地元の老人ホームで歌うので、伴奏を頼まれました。30分程度ですので、準備したのは8曲。
秋の日本の曲をメインに選曲。1曲だけグノー作曲の「Ave Maria」が入っていました。
2回のリハーサルでは、先生の声量に圧倒。コーラスを指導してくださる時もすごいのですが、1対1は初めてだったので、「さすが!!」の一言。そして、日本語の美しさにうっとり。
さて、老人ホームは、真っ黄色に色づいた銀杏の大木をいくつか通った奥にありました。
予定時間よりも早めに行き、先生は素敵なドレスにお着替え
さて、会場に出て行くと、たくさんの年配の方々が来られていました。車いすの方もいました。
先生のお話から始まって歌へ。唱歌は、皆さん知っている歌なのでしょうね、一緒に歌う方が多かったです
ところが3曲目に入った時、途中、先生の声が途切れたんです。そっと先生を見ると、なんと!!泣いているではないですか
え~~っと思い、何の気なしに反対側を見たら、車いすの方が泣いているんです。
ひえ~~ここで私が泣いたら、涙で楽譜も見えなくなっちゃうし、鍵盤も歪んじゃうし、大変!!とその曲が終わるまで、目は楽譜オンリーの状態
幸い、みなさんには背を向けていたので良かったぁ・・・。
先生は貰い泣きしたんですね。前に座っていた方がハンカチを目に当てるのを見たら貰い泣きしてしまったとか・・・。
その後は、先生も冷静に歌われました。
最期の曲は、もともと皆と一緒に歌うことになっていたので、先生の持ち前の明るさで、歌い方ワンポイントレッスンみたいな感じでアドバイス。そうしたら、皆さん、実に大きな声で歌ってくださいました。
控室で、先生が「ホールでのリサイタルで泣いている人を見ることはあるけれど、こちらまで泣くことは無かった。今日は、早い段階で、それも間近でハンカチで目を押さえているのを見てしまったら、ついつい貰い泣きしてしまった」と話していました。
これが本物の音楽の力なのでしょうね。
先生の響き渡る声、そして昔から歌い継がれている名曲。
それに涙している年配の方々。
そして、そこに居合わせた自分。
感動の時間でした。今でも思い出すとジワ~~ときます。
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コメント
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車いすの方は、なつかしさとその頃を思い出して涙したのでしょうか。
歌は、その歌を歌っていた頃を思い出させます。
様々な思い出がわ~っとこみ上げ、一気にその頃に戻りますもの。
先日、伊東温泉の帰りにオットが行きたいというので、「みかんの花の咲く丘」の
記念碑を見てきました。
歌詞と五線紙の♪を見たら、けっこう歌詞を覚えていて自然に歌いだしていました。
何十年ぶりのことで、自分でもびっくりしました。
戦後まもなくの物のない頃、歌うことが何よりの楽しみでした。
ホームのみなさんはその楽しみを再び味わうことができて、
これこそ「音楽の力」でしょうね。
いっぱい口ずさむ歌があることは幸せです。
投稿: ロコ | 2014年11月29日 (土) 01時23分
老人ホームでのコーラスは良かったですね。
背を向けていたMikikoさんも涙がにじんでいた事と思います。
老人ホームの方々も、素晴らしく感動をされた時間を持てましたね。
音楽の力を改めて知る事ができます。
投稿: たかchan | 2014年11月29日 (土) 20時05分
ロコさん
そうですね。
音楽、特に歌は思い出と共にありますね。
トロントやLAで、「さくらさくら幻想曲」を弾くと、必ず泣いている方がいました。中には「日本を思い出させてくれました」と握手をしてくださる方もいました。
私にとって、素晴らしい思い出です。
投稿: Mikiko | 2014年11月30日 (日) 11時48分
たかchanさん

背を向けていて良かったです
表情の無い方でも、歌い出すと、笑顔になるんですよ

声も出てきますしね。
音楽の力、すごいですよ~~
投稿: Mikiko | 2014年11月30日 (日) 11時51分
まさに、"音楽の力"そのものだと思います
適切な表現ではないかもしれませんが、何と言うか、
後味の良さみたいなもの?が感じられました。
そして、音楽が取り持つ人の縁もまた然り…
…感動の時間
人生に必要な瞬間ですよね。
投稿: bill | 2014年11月30日 (日) 18時28分
billさん
>後味の良さみたいなもの
そうですね。短時間でしたが、いいえ、短時間だったからこそかもしれませんね。
感動が無くてはやっていられませんものね。
身近にあって良かったです(^。^)
投稿: Mikiko | 2014年12月 1日 (月) 20時54分
母と伯母がお世話になっていたホームに、
いつも来て歌ってくださった方と伴奏の方のことを
思い出しました。
入所されている方皆さん、本当に楽しみにされ、
一緒に歌ったりされておいででした。
私もいつも一緒に聞かせていただき、あたたかな
気持ちになりました。
皆さんどれほど喜ばれたことでしょう。
音楽の力で、みんなの心が一つになれるのですね。
それだけのタレントがおありになる歌の先生と
Mikikoさんも素晴らしいと思います。
投稿: anan | 2014年12月 2日 (火) 14時34分
ananさん
LAでは、日系人のためのホームがあり、毎週水曜日、ピアノを弾きに行っていました。ほとんどは皆と歌うための伴奏でしたが、時々ピアノ演奏もしたりして(^。^)
毎週歓迎してくださいました。行くと「Mikikoしゃ~~ん」「先生~~」「待ってましたよ~~」なんて声掛けて下さるんです。歌謡曲・唱歌・童謡・軍歌・・・たくさん伴奏しました♪
嬉しいですね。笑顔を見られるのは(^.^)
投稿: Mikiko | 2014年12月 3日 (水) 08時43分